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緊急事態宣言の延長について(談話)

2020年5月4日


緊急事態宣言の延長について(談話)


社会民主党幹事長 吉田忠智


1.本日、政府は、5月6日に期限を迎える緊急事態宣言について、全都道府県を対象に5月31日まで延長することを正式に決定した。1か月で収束できなかった理由や延長の明確な科学的根拠、5月末まで全都道府県で必要な理由もはっきりしない。何よりも、「2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせ、1か月後には収束させる」という目標を達成できず、結果として宣言延長に至った政府の責任は大きい。早く元の生活を取り戻したい、いつまで自粛や休業を続けなければならないのかというのが国民の声である。5月末まで我慢すれば本当に収束できるのか。政府は見通しの甘さを痛感するとともに、6日までということで自粛や休業に耐えてきた国民・事業者の気持ちに寄り添い、今後の見通しや緊急事態宣言を解除するための条件について、国民にわかりやすく具体的に示し、今度こそ終わりという覚悟で対応してほしい。


2.安倍政権は、医療崩壊を防ぐためと称してPCR検査を抑制してきたが、このことが逆に院内感染や家庭内感染を増やしただけでなく、感染の実態を正確に把握できていない状況をもたらした。批判を受け、安倍首相は、「PCR検査体制を1日2万件に増やす」と宣言したが、1か月近くたっても検査実施件数は、いまだに1万件にも届かない。科学的・疫学的データが欠如し、どこにどれだけの感染者が広がっているのか、ほとんどわからないまま対応しているのが実態ではないか。PCR検査の実施件数を本気で拡大していくべきだ。


3.政府の施策が効果を上げられず、十分な補償もないまま、緊急事態宣言が1か月延長されることで、多くの国民はつらい生活を強いられ、多くの事業者もさらなる苦難に追い込まれる。外出自粛や休業要請を延長するならば、困窮する人々や事業者に対して、休業補償や家賃支援、収入補填や家計支援の拡充など、手厚い支援策をワンセットで講じるのは当然である。私たちは、持続化給付金の倍増や、中小・小規模事業者等の賃料の支払支援、雇用調整助成金の拡充・改善、医療従事者への危険手当の増額、医療機関などへの支援金の創設、学生への支援強化、自治体への交付金の増額など求めている。しかし、マスク2枚さえも届かず、10万円支給もこれからである。ギリギリで頑張っている国民・事業者を支えるためにも、第二回目の10万円支給や困窮者支援も含め、一刻も早く二次補正に着手すべきである。


4.安倍首相は、「ある程度の持久戦は覚悟しなければならない」と訴えるが、「持久戦」を強いるだけで、政府がやるべきことをやれていないことを猛省すべきである。たとえば医療現場では、マスクなどの防護具が圧倒的に不足し、今でも医療従事者から悲鳴があがっている。東京では感染経路を追えない感染者の数が9割を占め、クラスターを探し出してつぶしていくやり方は、完全に壁にぶつかっている。「検査なき自粛」、「補償なき自粛」という、政府の怠慢は断じて許されない。衆参の議院運営委員会で延長に関する質疑が行われたが、安倍首相は今回も出席しなかった。緊急事態宣言の効果、延長の必要性、出口戦略、感染拡大防止策、PCR検査の拡大、国民生活及び事業者支援の拡充、医療従事者や医療機関支援策など、これまでの政府の対応の検証と今後の対策の充実に向けて、国会としての機能の発揮が要請されている。改めて首相出席の集中審議の実施や与野党連絡協議会の充実を求める。社民党は、国民の命と健康を守るため、国民生活や雇用、事業をしっかり支え、感染拡大防止と医療崩壊阻止に全力を尽くす。


以上




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