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第200回臨時国会の閉会に当たって(談話)

2019年12月9日


第200回臨時国会の閉会に当たって(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ


1.第200回臨時国会が本日閉会した。日米貿易協定の承認などの強行を許したことは極めて残念である。一方、菅原経済産業大臣、河井法務大臣の2閣僚が政治とカネの問題で国会審議を目の前に相次ぎ辞任するという異常事態が生じた。しかし、安倍首相は任命責任を痛感すると言うばかりで、両大臣とも説明責任を果たさなかった。そして、安倍首相自身が当事者となっている「桜を見る会」問題でも、国会における説明責任を果たさず、野党の求める予算委員会の開催も拒否した。さらに、災害対策に関する補正予算も先送りされた。国会の行政監視機能が果たせず、国民の期待に応えられないことから、社民党はじめ野党は、40日間の会期延長を衆議院議長に申し入れるとともに会期延長動議を提出した。与党が拒否したため、国会は閉会となったが、国会閉会後の内閣委員会理事会で「桜を見る会」に関する野党の質問書に対し、報告を求めることとなった。社民党は、疑惑の幕引き・逃げ切りを許さず、徹底追及し、安倍政権を追い込んでいく。


2.安倍首相は、憲政史上最長通算在職日数を更新したが、「桜を見る会」と前夜祭をめぐる権力の私物化や政治資金規正法、公職選挙法違反の疑惑、徹底した説明拒否と証拠隠滅の姿勢、全世代型社会保障検討会議において、政府に都合が悪い発言の削除という議事録の改ざん問題など、この国会では、アベ政治の本質とも言うべき、政治の劣化や議会制民主主義の基盤の破壊を示す事件が次々と発生した。議会政治や財政民主主義、国民の知る権利への挑戦を断じて許すことはできない。


3.民間試験の受験料負担、試験の公平性への疑問、所得格差や地方格差の拡大など、様々な問題が指摘されていた英語民間試験について、最後まで導入にこだわっていた萩生田文科相は、突如延期を決定した。大きな混乱をもたらしただけではなく、「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と突き放し、教育の機会均等に努力する責務を放棄した文科相の姿勢は断じて認められない。


4.社民党は、今国会から衆参ともに「共同会派」に参画した。「桜を見る会」問題では、各所属委員会で徹底的に追及するとともに、追及本部法務班に福島副党首、照屋国会対策委員長が参加した。3年ぶりに国会に復帰した吉田参議院議員も、参議院本会議で会派を代表してジャパンライフとの関わりを含めた追及を行った。与党側が目指していた国民投票法の改正案の成立も見送りとさせ、安倍改憲4項目の説明もさせなかった。議員立法では、英語民間試験導入延期法案、国語・数学記述式試験中止法案、高等教育未婚ひとり親支援法案などを提出したが、英語民間試験は延期となり、記述式も中止の動きが強まっている。また、会社法改正案も野党側の修正内容を丸呑みさせ、デジタル推進法案も自治労や全自交と連携して働きかけ、今国会での提出を見送りとさせた。ハンセン病元患者家族の支援法案や「産後ケア事業」を充実する母子保健法改正案なども成立することができた。


5.安倍政権は、12月中に自衛隊の中東派遣を閣議決定しようとしている。防衛省設置法の「必要な調査および研究」が根拠とされるが、国権の最高機関としての国会の審議・承認を避けるための裏口的手法であり、文民統制の観点からも乱暴である。自衛隊が軍事的対立に巻き込まれ、将来的な「有志連合」への参加や集団的自衛権行使につながる地ならしとなる危険性もある。なし崩し的な武力行使につながらないよう、徹底追及する。


6.来年は解散・総選挙が想定される。社民党は、共同会派での共闘をベースに、野党共闘をさらに深化・発展させ、政権選択選挙である衆議院選挙に立ち向かっていく。


以上


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