2020年7月5日
東京都知事選挙の結果について(談話)
社会民主党全国連合 幹事長・選対委員長 吉田 忠智
1.本日、任期満了による東京都知事選挙の投開票が行われた。社民党は、立憲民主党、共産党、新社会党、緑の党とともに、元日弁連会長で無所属の宇都宮けんじ候補を支援し、都のコロナ対策の充実強化、都政の転換と日本の政治の流れをかえることを求めて闘った。宇都宮候補は、3度目の挑戦となり、コロナ禍で現職の小池百合子氏や野党系候補と競う構図の中で支持拡大を求め駆けぬけた。結果は、圧倒的な知名度をもつ現職が再選を果たした。宇都宮候補に熱いご支持を頂いた東京都民、全国の支援者に心から感謝を申し上げる。
2.選挙戦は、公明支援、連合東京支持の現職の小池氏、新人は宇都宮氏、れいわ公認の山本太郎氏、無所属(維新推薦)の小野泰輔氏、N国党の立花孝志氏をはじめ過去最大の22人が立候補した。都のコロナ対策の評価、PCR検査など医療体制の強化、休業者や事業者への補償、経済や雇用、学校教育、財源など都民の暮らしを守る対策などが争点となり、小池都政4年間の評価、21年に延期された東京五輪やカジノ誘致の是非などでも論戦が展開された。
3.6年前から都議会を欠かさず傍聴している宇都宮候補は、「都民1398万人の命と暮らしを守り抜く!都政のすべてを、都民のために。」を掲げ、「住民福祉の増進を市民参加で実現する」として、都民一人ひとりが希望の持てる東京を実現したいと訴えた。コロナ対策では、都の対策の不備や遅れを指摘し、東京アラートにも疑問を投げかけるとともに、PCR検査の強化や保健所増設、都立・公社病院の独立行政法人化の中止を強調した。そして、貧困をなくす、都営住宅の増設と家賃補助、都立大学授業料や給食の無償化、公契約条例の制定、羽田空港新ルート低空飛行反対、カジノ誘致計画の中止、五輪は開催困難なら中止などを主張した。「脱原発都市東京」の実現、コロナ対策と財源対策、ジェンダー・平等、気候危機/コロナ禍からのグリーン・リカバリー政策なども訴えた。また小池知事が公務を優先し、オンライン選挙に専念して街頭に出ず、テレビ討論会が一度も実施されなかった点も異常であるとした。
4.各陣営は、マスクや消毒、接触や3密を避けるなどのコロナ予防対策をとり、屋内集会はせず、街頭演説は減らし、ネットや電話を軸に組みたてる異例の選挙となった。宇都宮選対では、演説会は場所の告知はせず実施し、街頭の動画を配信したほか、ZOOMを利用した著名人や現場の人との対話などのオンラインイベントを開催した。社民党は、福島党首を先頭に、国会議員・自治体議員、東京都連合が全力で支援した。野党3党の党首揃い踏みは3回、多くの国会議員や前川前文科次官も応援に駆けつけた。市民を中心に、ホームページやブログ、SNS、動画共有サービス、動画中継サイト等を使用した投票呼びかけや電話作戦に注力した。しかし、小池氏が、自民や公明の支持層や野党支持層の一部、無党派層の支持を取りこんだ。また「総額15兆円であなたを底上げ、全都民に10万円給付」を訴え、野党の一部国会議員も支援した山本氏などとの間で反小池票が分散して伸びなやんだ。
5.都内の感染者数は、休業要請を全面解除した6月19日から人の活動がいっきに増え、26日からは連日50人以上が感染し、7月2日以降は3桁の感染が確認された。感染爆発への懸念が大きくなってきているにもかかわらず、小池知事は「感染拡大要警戒、夜の街 要注意」を訴えるばかりで具体的な施策を講じようとしない。社民党は、都政において、これまでのコロナ対策を検証するとともに、感染拡大防止に向けたPCR検査の拡充や早期の医療体制強化、都民の生存権や人権の保障、雇用の維持・確保、学校教育の保障など希望の持てる東京、憲法理念を実現する政治を強く求めていく。そして都知事選のたたかいを検証し、解散・総選挙及び都議選に向けた選挙態勢の強化を図っていく。
以上
Commentaires