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新たな経済対策の決定について(談話)

2020年12月8日

新たな経済対策の決定について(談話)

社会民主党幹事長 吉田忠智

1.政府は本日、財政支出が40兆円程度、事業規模が総額73兆6000億円程度となる、追加の新たな経済対策を決定した。「雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、グリーンやデジタルをはじめ新たな成長の突破口を切り開くべく策定した」というが、規模は水ぶくれしているものの、民間の支出分も含めた事業規模ベースで、コロナ感染拡大防止は6兆円にすぎない。今まさに新型コロナ禍で国民の命が危機にさらされているのを無視し、困窮する国民や事業者の支援、救済にはほど遠い、「不要不急」の内容が多く盛り込まれている対策であるといわざるを得ない。コロナ後の前にまずコロナの収束に全力で取り組むべきである。

2.医療機関向けの「緊急包括支援交付金」の拡充など、医療体制のひっ迫を招かないための対応策や、雇用調整助成金の延長などをしっかり手当てするというが、もっと早めに大胆な対応をすべきだった。兼業・副業などの新しい働き方の普及促進など、人件費削減につながる措置を次々と講じるのも疑問である。低所得のひとり親世帯などに対する5万円の「臨時特別給付金」の再支給は当然であるが、継続的な給付とすべきである。

3.社民党は、自由にきめ細かく、より地域の実情にあった対応ができるよう、「地方創生臨時交付金」の増額を求めてきたが、遅きに失したとはいえ、ようやく1.5兆円の増額となった。「機動的に対応する」として、国会の議決を経ずにコロナ対策にあてられる巨額の予備費を計上しながら、7兆円も残し、何をやっていたのか。21年度は予備費を5兆円計上しさらに積み増すが、菅政権に白紙委任することは許されない。

4.来年1月末に期限を迎える「Go To トラベル」キャンペーンの6月末までの延長も信じられない愚策だ。「第三波」という感染拡大期に打ち出すことなのか。そもそも「感染の収束」を条件としていたのであって、一度停止し、事業者支援策を別途講じるべきである。

5.デジタル化やグリーン化の2つの柱のもとに、希望につながる対応策というが、マイナンバーカードの普及促進や行政のデジタル改革の推進、そしてグリーン社会の実現につながる研究開発を行う企業への支援や大学等ファンドの創設というが、もっと足元で困窮している国民、事業者のことを考える必要がある。

6.中小企業支援の「2兆円超」も、業態転換に取り組む中小企業に3分の2を補助する「事業再構築補助金」の新設1兆円超が柱となっている。より時代に合った業態への変化を促す呼び水とし、経済の新陳代謝を進める狙いであるというが、菅政権の目指す中小企業の再編による数減らしにつながりかねない。持続化給付金の拡充も見送られてしまった。今やるべきことは、新型コロナウイルスの感染拡大で事業の先行きが不透明なため、必要な融資が受けられない企業が増えていることへの対応である。

7.追加対策は、①コロナ対策、②コロナ後を見据えた経済構造の転換、③国土強靱化の3本柱で構成されているが、コロナ対策そのものはきわめて不十分である一方、新型コロナ禍を理由に、「ショック・ドクトリン(惨事便乗型市場原理主義改革)」を進めようとする狙いすらうかがえる。社民党は、一人も取り残さないという社民主義の観点から、感染拡大防止や医療提供体制の整備とともに、新型コロナウイルスによって影響を受けるすべての皆さんへのきめ細やかかつ大胆な支援策の強化を引き続き求めていく。

以上



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