2020年11月27日
政治資金収支報告書等の公表に当たって
社会民主党総務企画局長 横田昌三
1.わが党の政治資金収支状況
2019年の社会民主党の政治資金の概要について報告します。 収入は、本年収入額が8億981万円、前年からの繰越額が10億9,092万円で、総額19億73万円となりました。支出は、本年支出総額が8億5,575万円で、翌年への繰越金が10億4,498万円となりました。 対前年比では、本年収入額は3,083万円の減ですが、19年4月の統一自治体選挙と7月の参議院選挙という「2019政治決戦」に対応したことによるところが大きく、支出総額は2億3,402万円の増となっています。その結果、2020年への繰越額は4,594万円減となりました。 収入の内訳ですが、党費が1億2,538万円、機関紙「社会新報」を主とする事業収入が2億6,936万円、支部からの収入が26万円、政党交付金を主とするその他の収入が4億759万円となっており、その他に寄附金収入が722万円あります。政党交付金は3億7,532万円で、本年収入額に占める割合は少し上がり46.3%となっています。 19年の統一自治体選・参院選を「社民党存続を懸けた選挙」と位置づけ、積極的にカンパ活動に取り組んだこともあり、例年以上に、多くの方が応援カンパを寄せてくださった結果、寄附金収入は169万円増となりました。こうした期待にしっかり応えていかなければなりません。 支出の内訳ですが、経常経費は、人件費が1億7,932万円、光熱水費が107万円、事務所費が4,140万円などで2億2,268万円となり、政治活動費は、寄附・交付金が3億9,470万円、機関紙誌の発行その他の事業費が1億127万円と大きく、選挙関係費の9,763万円、組織活動費の3,654万円、調査研究費の127万円、その他の経費の166万円などで、6億3,307万円となりました。 国政選挙がなかった18年と比べて、19年は、選挙関係費が9,555万円増となっているのが特徴的です。
2.政党交付金の使途状況
(1)全国連合および都道府県連合の合計の使途状況 全国連合および都道府県連合の合計の収入額は、2019年度の国からの交付額3億7,532万円に前年末の基金残高2億651万円を加え、5億8,183万円となりました。 全国連合および都道府県連合の合計の支出額は、6億5,146万円となっています。 主な支出の内訳は、人件費が2,350万円増の1億6,667万円、選挙関係費が1億1,981万円増の1億2,389万円、寄附金が1,669万円増の2,746万円となる一方、機関紙誌の発行その他の事業費については226万円減の5,543万円となっています。19年4月の統一自治体選挙と7月の参議院選挙への対応によるところが大きくなっており、この結果、政党交付金の2020年への繰越額は、4,635万円減の1億9,866万円となりました。
(2)全国連合の使途状況 次に全国連合の使途状況について報告します。 収入は、19年度の国からの交付額3億7,532万円に前年末の基金残高2億651万円を加えた5億8,183万円です。交付額自体は減少しましたが、「2019政治決戦」に備え、基金残高を活用したため、前年度比で1億1,567万円の増となりました。 支出は、対前年度1億4,871万円増の4億835万円となりました。なかでも支部政党交付金が8,072万円増の2億2,979万円となり、支出全体の56.3%を占めています。経常経費の7,373万円は、主に人件費となります。19年4月の統一自治体選挙と7月の参議院選挙への対応から、選挙関係費が皆増の5,364万円となりました。なお、機関紙誌の発行その他の事業費は540万円減の4,618万円でした。 19年末の基金残高は、1億7,348万円で、前年より3,304万円減りました。
3.党財政について
社民党の財政上の課題が、長年続いている収入の減少です。政党交付金は、国政選挙を経るたびに年々減額され、19年も7月の参議院選挙結果による再計算があり、国からの交付金は当初決定額から886万円余の減額となりました。あわせて、党員数の減少や高齢化による党費収入の減少、社会新報などの部数減なども大きな要因となっています。政党交付金への依存度も上がっており、自前の財政基盤の確立の努力が求められています。そのためにも、新たな仲間を増やすことが重要であり、党勢拡大運動の取り組みはもとより、党活動や選挙闘争の財政基盤の大きな柱である機関紙誌活動や事業活動の一層の拡大・強化も必要です。 2021年には必ず解散・衆議院総選挙が行われます。選挙資金を政党交付金に頼る傾向が続いていることから、次期衆議院総選挙に向けた選挙闘争資金の確保が財政運営の最大の課題です。機関紙誌拡大・党員拡大運動とあわせて経費の削減に努めるとともに、自前の財政づくりも進めていかなければなりません。地域に密着した運動をとおして党への支持を広げ、自治体や国政で議席増をめざしていきます。
4.政治資金について
IR疑獄や菅原元経産大臣の公選法違反疑惑、河井元法相夫妻の公選法違反疑惑など、政治とカネを巡る不祥事が続いています。最近も、安倍前首相主催の「桜を見る会」とその「前夜祭」をめぐる疑惑に新たな動きがあり、公職選挙法違反や政治資金規正法違反、前首相の虚偽答弁が明らかになってきました。 政治資金規正法の目的は、政治とカネの流れを透明にし、国民の監視と批判の下に置くことで、政官業の癒着や利権構造をつくらせないことにあります。政党交付金の使途は、政治家の私利私欲ではなく、主権者である国民が納得できるものにしなければなりません。クリーンな政治を実現し、政治への信頼を取り戻すために、企業・団体献金の禁止やあっせん利得処罰法の強化、政治資金に関する情報公開の徹底、税額控除の拡大やネット献金の推進など、政治資金制度の抜本改革に取り組んでいきます。
以上
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