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執筆者の写真sdpkyoto

九州電力川内原発1号機の再稼働に断固抗議する(談話)

2020年11月18日


九州電力川内原発1号機の再稼働に断固抗議する(談話)


社会民主党幹事長 吉田忠智


1.東京電力福島第一原発の事故後に定められた新しい規制基準で、テロなどへの対策として設置が義務づけられている「特定重大事故等対処施設」(特重施設)が期限内に完成せず、今年3月から運転を停止していた九州電力川内原子力発電所1号機は、昨夜再稼働し、本日臨界状態に達した。特重施設が設置された原発が再稼働するのは、全国で初めてである。社民党は、住民の不安や安全をないがしろにしたままの再稼働に対し、断固抗議し、ただちに停止するよう求める。


2.特重施設は、テロ対策に留まらない過酷事故対策のための施設である。しかし、原子力規制委の審査は安全の保証ではない。特重施設が完成したとしても、原子炉が破壊されて放射能が漏れているのに、緊急制御など本当にできるのか疑問であるし、大きな地震や津波で果たして電源設備が十分に機能するのかの実証もされておらず、危険性が緩和されるとは全く考えられない。問題は、そんな事態が現実に起きることを覚悟してまで原発を動かすのかである。完全なテロ対策というのであれば、原発自体をやめるべきであり、原発さえなければ、特重施設も要らない。しかも原発のトラブル情報は速やかに公表することが原則であるにもかかわらず、テロ対策の必要上、施設の具体的な場所は明らかにされていないし、原子力規制委員会も、施設のトラブルは復旧が終わるまでは発表を行わない、原子炉の停止につながるような重大なトラブルも詳細は控えることを決めており、「事故隠し」などにつながりかねない。


3.川内原発は、運転開始から40年の期限がせまる老朽原発である。そのうえ熊本・大分地震の震源となったと考えられる活断層上に建設されているといわれており、あわせて多くの活火山や巨大カルデラに囲まれており、世界的に見ても有数の「カルデラ密集地帯」であり、巨大噴火の危険性があるにもかかわらず、火山対策がきわめて不十分であり、取り返しがつかない壊滅的打撃を受ける可能性もゼロではない。さらに、避難計画の実効性、要援護者避難の対応、地震対策や台風などとの複合災害対策の不十分さなど、専門家から多くの問題点が指摘されている。周辺住民の不安や懸念を押し切る再稼働は許されない。


4.再稼働によって、危険な使用済み核燃料が増え続けることとなるが、核廃棄物の処理方法も確立していない中、「トイレのないマンション」と呼ばれる事態を悪化させるだけである。


5.社民党は、脱原発社会を目指す多くの市民の皆さんとともに、改めて川内原発の問題点を徹底追及し、来月以降予定されている2号機の再稼働阻止、危険な川内原発の速やかな廃炉実現の取り組みを一層強化していく。


以上



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